主に「椅子のある風景」のイラストを描いています。
人物を直接描かず、人の存在や痕跡を表すモチーフとして椅子を描くことで私の絵をみた人それぞれの心に、その人だけの風景として残ることを目指しています。
私の描く風景はどれも、「いつか辿り着きたい場所」であり「やがて去らなければならない場所」です。よろこびや安らぎ、希望や夢に溢れる場所へ到達出来たとしても、そこに居続けることは出来ない・居続けてはいけないという確信めいたものをいつも持っています。
現在の世界では、分かり易く手軽で“すべてを説明してくれるもの”にこそ価値があるように見えてしまいます。また、それにより全ての物事が片手間に理解出来る、まるで人間が人間以上の存在なんだと勘違いさせられているように感じます。
そこには想像の余地もなく、単一の感情しか生まれないと私は考えています。そして実際の風景(森、雲、街)から感じ取るものは、決して単一のものではなく、時には恐ろしく目を背けたくもなるという実感があります。
その場所、その時間、その時の心理状態でしか感じ取ることが出来ない風景を切り取り描き、そこに椅子を置くことで、寂しさや不安などの負の感情にも光を当てたいと考えています。
そうすることで、真の意味での安心やよろこびなどの感情が奥底から滲み出てくるような、そんな絵を描いています。

 複雑を複雑のままに、混沌を混沌のままに。分かりやすい物語に落とし込まず、かたちによる風景をつくる。そこから言葉がうまれ、また別の風景になる。その感覚の種を蒔き、受け容れ、かえす。諦めではなく諦観であることが重要だと考えています。
 すべてが異なり、すべてが繋がっている。すべてが同じで、すべてが違うもの。その矛盾を矛盾のままに、己の持っている毒性を、創作物というフィルターを介し昇華していきたいと願っています。
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普段は趣味的に描いたイラストを発表していますが、個人・企業問わずお仕事も募集しています。
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